サマータイム

10月終りに冬時間になる。時計の針を1時間遅らせる。

すると時間が、ぐにゃぁ~り、と間延びした感じになる。つまり8時だと思っていてもまだ7時なわけだ。

また春先、3月終りに夏時間になる。今度は1時間針を進める。家に一日中いる人ならともかく、通学通勤している人は朝辛いと思う。

フランス時間は、冬は1時間、夏は2時間、太陽時間と差がある。

夏、日本は夜7時頃暗くなると思うが、フランスは夜10時過ぎまで明るい。

このサマータイム制はミッテラン大統領時代に採用されたそうで。つい最近と言えば最近。経済的効果を考えてとのこと。日本は戦後米国占領期に採用されていたが、サンフランシスコ平和条約締結で独立すると、日本人に合わないということで廃止された。現在いわゆる「先進国」でこのサマータイム制を採用していないのは、日本、韓国、アイルランドのわずか三カ国だけなのだとか…。

ちなみにフランス来た当初、2年に渡り初日、子供も夫も学校や仕事に遅刻した。前日周囲が時計を直してくれたのだが、説明されたのにもかかわらず意味がいまいち理解できておらず、何かの遊びかと思って、時計の針を元に戻してしまったのだ。TVなんかなかったし。フランスに来て10年以上経つが未だにこのシステムに慣れないでいる。


このサマータイム制、一番影響受けるのは、赤ちゃん、老人、動物。要は一番自然に近いものたち。

例えば酪農家の牛乳採取時間はキッチリ決まっており、それが流通の一部分にはめ込まれているわけだから、6時だったら夏でも冬でも時計の6時は6時なわけで。でも肉体の方は1時間早くなったり遅くなったりするので乳の量が減ってしまうそうで。そりゃそうだ。これでどこに経済的効果があるのだろう?

私は外で働いていないから、外で働く人と比較すればそんなに辛いわけではないとは思うけど。

でも、最近、ここ数年、この制度に合わずギクシャクしている自分の身体を静かに観察していて、分かってしまった。

時間って、何も時計だけのものではなくて、人には、要は生き物すべてにだけど、「体内時間」というものがあるのだと。(感じてなかったのは私だけ?)

例えば、夜11時に寝る習慣だとする。普通6時でも7時でもいいけど、日が沈んで外が暗くなると、現代社会だから電気というものがあって、その中で活動は続いているのだけど、それでも身体は徐々に眠る態勢に入っていく。そして11時に寝る。ところがこれが10時過ぎても外が日光で明るいと、身体は昼間だと認識していて眠る準備をしない。だから「はい、(時計は)11時」となっても眠れない。寝てもしっかり眠れない。目覚めの時間も狂うし、トイレのサイクルなんかも狂ってくる。要は時差ボケ。すごい疲れる。で、やっとこ慣れてきたと思ったら、また時間変更。

私は旧暦で暮らしたいくらいなのに、こんな不自然なこともうイヤだ。北欧だったらまだ分かるけど、何でフランスあたりでそんなことやらなきゃならないのか? 経済的効果って、絶対マイナスになっていると思う。体調が微妙に崩れるから医療費も増加するのではないだろうか?


昔は日の出から日の入りまでが昼間の時間だった。それを12刻に分けて。そうすると夏と冬で、また地方によって時間の幅が微妙に違うけど、でも、現代の工業社会と違って分単位でものごとが動いていたわけではないから、ざっくりとそれで支障はきたさなかったのだろう。

お寺の修行僧は朝4時(5時だったかな?)に起きて修業が始まる。今どきの坊さんはちゃんとやっているのか知らないけど、これ、昔の時間だったら、たぶん日の出の少し前、東の空が薄ぼんやり明るくなり始めるくらいの時なんだと思う。夏でも冬でも同じ「日の出の少し前」、北の地方での「日の出の少し前」、南の地方での「日の出の少し前」… だけど現代は、夏でも冬でもどの地方でも朝の4時は4時!冬の4時なんて、暗くて寒くてホントに辛いと思う。今の修業の方が昔のより辛いと思う。

昔より今の方が、時代が進んだ方が、生活が便利になって「進歩した」という世界的認識なんだろうけど、果たして本当にそうなのだろうか? 時間に追われて走って走って走って走って…。日本には政治家などの間で未だに根強いサマータイム制導入支持派がいるようだけど、やめてほしいと思う。絶対マイナスにしかならないから。でも、先にも書いた通り、採用していない国は先進国でわずかに三カ国って…なんかTPPなどと一緒にこれも外圧が増しそうで…嫌やわぁ。 

人間だって自然現象の一部であるわけなのに、自然からどんどん離れて行ってしまって一体どこへ行きつくのやら … その前に肉体が悲鳴を上げている気がするのですけど。



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by grandma2675 | 2015-10-24 03:04 | フランスの田舎暮らし