名前

私は小学生の頃自分の名前が嫌いでした。平々凡々で。何でこんな名前つけてくれたのかなぁと。

で、いろいろ名前を考えていた。○○とか△△とか。で愕然とした。もし私が△△という名前だったら、××子という『私』はここにはいない。もしかして××子は他にいて、私は△△の人生を歩んでいたのかもしれない。△△の目で世界を見ていたかもしれない。××子の目で見ている『私』は別にいたのかもしれない。…そしたら突然足元の地面が崩れるような不安感に襲われまして。じゃあ自分は何? たまたま××子としてここにいるけどそんなの『絶対』でも何でもなかったわけで、と。

ひとつの命が生まれて、その命は『命名』されてはじめてひとつの存在になる。名前をつけられて初めて他の命と区別され、その○○さんの人生が始まる。

昔は現在のように医療技術が発達していたわけではないので、生まれてすぐの赤ちゃんが亡くなることも珍しくなく、生まれてから6日目までは赤ちゃんの命はカミの領域で、生後7日目でようやく人間の子として認められたんですね。それがお七夜でその時に命名式。

岡野玲子のマンガ『陰陽師』①(原作の夢枕獏をあげた方がいいのか)より。

「なあ 博雅… この世で一番短い呪とは何だろうな」
「この世で一番短い呪…? しかし何でおれが考える? おまえが教えるべきじゃないか?」
「さっき言ってやったろう 名だよ」
「おまえの晴明とか? おれの博雅とかの名か?」
「そう 山とか海とか樹とか草とか そういう名も呪のひとつだ 呪とはようするにものを縛ることよ
ものの根本的な在様を縛るというのは名だぞ
たとえば おぬしは博雅という呪を おれは晴明という呪をかけられている人ということになる」
「この世に 名づけられぬものがあるとするとすれば それは何でもないということだ 存在しないとも言える」
「難しいな おれに名がなければ おれという人はこの世にいないということになるのか?」
「いや おまえはいるさ 博雅がいなくなるのだ」


… 自分が夫と一緒に子供たちに名前をつけた時初めて親の気持ちを体感することができました。そこにどれだけの願いが込められていたのか。…今は自分の名前大好きです。


【閑話休題】「陰陽師」と言えば彼、フィギュアスケートの羽生結弦君。これで滑り込んでいったらどんな素晴らしい陰陽師が…っ!楽しみ!

     https://www.youtube.com/watch?v=C-8Wxr1yfxU





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by grandma2675 | 2015-10-23 05:12 | 生きること死ぬこと